会計事務所は付加価値よりも生産性

 

こんにちは。会計事務所専門コンサルタントの大谷です。
今日は多くの先生方が気にされているであろう「付加価値」についてお話したいと思っています。

一頃よりは「会計事務所は経営計画をやるべきだ」とか「これからはMAS監査だ・財務コンサルだ!」といったブームは落ち着いたように思いますが、依然として会計業界・会計事務所の利益率は低下しており、これから迎える確定申告や税制改正の恩恵で増えた相続税申告といった「スポット業務」がなければ、実は赤字、といった事務所も結構あるのではないでしょうか?


参考までに、なぜ会計事務所の利益率・収益性がここまで低下してしまったのか?と言いますと、私は

  1. WEBでの価格競争・税理士紹介会社の影響による顧問料の下落
  2. 超採用難に伴う、人件費負担(広告費・紹介料含む)の増加
  3. 顧問料に関係なく従来通りのサービスを続ける職員の仕事の進め方

にあると考えています。

 

ここで再度話を戻しますが、上記のような背景があるため、多くの事務所では

  • 「やはりこれからは付加価値の高い仕事をしなければダメだ」
  • 「単価の安い仕事は受けないようにして、単価の高い仕事を追うべきだ!

とお考えの所長先生も多いことでしょう。

 

そこで、そのようにお考えの皆様にお尋ねしたいのですが、「付加価値って一体何でしょうか?」ということです。

 

恐らく多くの方が、そんなの

□単価の高い商品・サービスを提供すること

□記帳代行や決算申告のような「誰でもできる仕事」ではない難易度の高いサービス

□お客様に合わせてカスタマイズしたものや個別対応

□専門的知識を要するサービス

じゃないの?と思われている方が多いのではないでしょうか?

 

確かに、単価が高いことは、付加価値を高める上では有効な手段であると言えるでしょう。

また、付加価値を「業務単体」で考えれば、単価の安い業務よりも単価の高い業務の方が付加価値は高いと言えるでしょう。

 

しかながら、付加価値を公式に当てはめて正しく定義すれば、付加価値とは

付加価値 =(提供したサービスの数 × サービスの単価)-サービス提供に伴ってかかったコスト

言い方を変えれば、(客数✕客単価)-掛かったコストを引いていくら残ったか?

ということですので、いくら単価が高くても、いくら難易度が高くても、最大のコストである人件費の投入が多ければ、付加価値は得られないということなのです。

 

実際に、私がお手伝いさせていただいた複数の事務所でも、人時生産性を出してみたら、年間顧問料が100万円を超えるお客様の時間単価が2,000円台だったとか、3,000円ちょっとしかなかった、とか普通にある話です。

 

このブログを読んで下さった皆様には「付加価値」という言葉の持つイメージに惑わされず、生産性を上げること=事務所全体の付加価値を上げることであると認識を改めていただき、利益率向上に取り組んでいただければと思います。

 

尚、弊社の生産性アップ事例を知りたい方はこちらをご覧ください。

⇒ https://obcreate.co.jp/blog/komonryo_jirei 
 

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