会計事務所 2021年の事務所戦略
こんにちは。大谷(おおや)です。
これから数回に分けて、会計事務所が今後どのような戦略、あるいは施策を講じたら良いのか?マーケティングとマネジメントの視点から解説いたします。
会計事務所のライフサイクルは今どこか?
まず、今後の事務所戦略を考える前に、会計業界がライフサイクル曲線の今どこかを押さえておく必要があります。なぜならば、業界に関係なく、消費者行動はライフサイクルの各段階に規定されるからです。
では、会計業界は今どこなのか?ということですが、会計業界は成熟期を過ぎて展開期・斜陽期といったあたりと思われます。この段階になりますと、需要と供給のバランスは完全に供給過剰となり、既に価格競争にも突入し、お客様の購買経験も増していますので、お客様が会計事務所を選ぶ基準も多様化してきます。
具体的には、
- 自分の要望に合った会計事務所に頼みたい
- 決算申告だけor経営相談まで頼みたいor事業承継の専門家が良いetcといった目的やTPOで選ぶ
- たくさんの選択肢の中から選びたい
といった「多くの選択肢の中から自分に合ったものを選ぶ」という傾向が強くなります。
ですから、何となく「〇〇市で大きそうな事務所だから」とか、「先生の人柄が良さそうだから」という基準では選ばなくなるということになります。
これからの基本戦略は”特化”です
では、これからも数ある事務所の中からお客様に選んでいただける事務所になるためにはどうすれば良いのか?ということですが、それはズバリ「特化をする」ということになります。
「特化をする」と言いますと、多くの方は「お客様が減ってしまうのではないか?」と心配されるのではないかと思いますが、そんなことはありません。(地方都市の方は絞り過ぎないでください)
下の図を見て下さい。
これまで多くの事務所は(規模が大きくなればなるほど特に)、様々な業種の顧問先を抱えることによって、事務所を拡大されて来たと思います。そのため、お客様に訴求する際も「幅広い業種の顧問経験があるので、どんな業種の方でも対応可能です」と言って来られたのではないかと思います。
しかしながら、これからはお客様は「自分に合った税理士事務所はいないかな?」という探し方をしますので、「何でもできる会計事務所」は自分には関係ないとして振り向いてくれません。お客様が振り向いてくれるのは、〇〇業特化とか、スタートアップ専門とか、資産税特化とか、いわゆるフラグの立っている事務所ということになります。
更に「〇〇に特化をする」ということは、「今までの事業や分野を止めて今後は〇〇業・〇〇分野しかやらない」ということではなく、今まで通りの営業活動はしつつ、一つずつ特化部門を立ちあげ、上手く行ったら特化部門を更に追加し、人も入れ、総合事務所化するといったイメージですので、絞ったからと言って売上が減ることも、拡大できないこともないのです。
尚、業種業種特化の他にも「分野特化」や「ターゲット特化」という切り口もありますので、自分の得意な分野や興味がある分野、地域に多くのお客様がいる業種などを検討してみて下さい。考えのヒントとして下にテキストを追加しておきます。↓
とは云うものの、どういう業種・分野が良いかわからない、特化と言ってもうちの事務所は何ができるのだろう?とお悩みの方は弊社までご相談下さい。特化業種・分野の選定から立ち上げ方まで、お力になれると思います。
2021年 会計事務所がとるべき事務所戦略
それでは、また次回お目にかかりましょう。