「所長の思考の限界」を事務所の限界にしてはならない
冒頭から弊社のことで恐縮ですが、近年、30代前半~といった若い税理士の方々のお客様が増えています。
通常は仕事柄、年齢の上昇とともに客層が上がるのが普通なのですが、私の場合は年々低下しているような気がします(笑)
ありがたいことです。
さて、話は変わりますが、前回、このメルマガで
- 従来の税理士事務所のビジネスモデルは時代に適合しなくなってきている
- だから、新たな視点・発想でビジネスモデルを組み立て直さなければならない
という話をしましたよね。
ですので、そう言った話をセミナーに参加された方々やお客様にはお伝えする訳ですが、その時の反応が、若い税理士の方々と年配の税理士の方々では異なるのです。(個人差はありますのでお許しくださいね)
例えば、仮に私が「今後の会計事務所のビジネスのあり方」をお伝えしたとすると、若い税理士さんは
「いいですね。それはどうやったらできるのですか?」と前のめりで喰いついて来るのに対し、
年配の方々は
- 「話はわかるのですが、本当にそんなことできますかね?」とか
- 「でも、うちの事務所ではできないと思いますよ」
- 「うちの地域ではそんなのは難しいですよ」
と端から聞き入れようとされません。
勿論、年配の方の方が背負っているものも、思慮の深さも違うのだとは思いますが、全く反応が違うのは事実です。
経験が邪魔して素直になれない?
何故かな?と思って考えてみたのですが、若い税理士の方々は、会計業界に身を置いた時からこれまでほとんど「良い思い」をしたことがありませんし、「業界のこれまでの常識」という概念もあまりありません。
ですので、常に「お客様が何を求めているかな?」「どうやったら生き延びで行けるかな?」という視点でしか考えていないので、思考が自然と「マーケットイン」になっているのだと思います。
対して年配の先生方は「過去の成功体験や業界の常識」が染みついているので、そこからなかなか抜け出せないのかも知れません。
そういえば、歌手の大黒摩季さんも歌の中で「経験が邪魔して素直になれない」と言っていましたね(笑)
思考の限界を突破するには?
このブログをお読みの方で、開業してからもう20年も経つなんていう方は、開業当時に比べれば年齢も当然上がって来ていることと思います。
にもかかわらず、身の周りに相談できる方もいないので、どうしても「一人で意思決定」しなくてはならないことも多いことでしょう。
しかしながら、人は誰しも歳は取りますし、それに伴って身体も頭も固くなることでしょう。
でも、だからこそ「ご自分の思考の枠組み」だけ考えるのではなく、身近にいる若い方職員の方々の意見に耳を傾けたり、自分とは異なる意見にも耳を傾けるという努力をしませんと
「所長の思考の限界が、事務所の限界」
となってしまう可能性は否めません。
私が申し上げるまでもありませんが、ビジネスは常に自由な競争の世界です。
そこには経験年数があるとか、知名度があるとか、規模が大きいとかは全く関係なく、「お客様に受け入れられる商品・サービスだけ」がお客様の支持を得る世界です。
もし、私の文章を読んで何かを感じていただけたなら、時代や市場の変化に対応できる柔軟さを失わないように、事務所を牽引していただきたいものです。