先日、YouTubeに「2023年に向けて考えるべき3つのこと」という動画をアップしました。
ご覧いただいた方もいらっしゃると思いますが、まだの方は是非ご覧ください。
その中で私は「今後の事業ドメインを考えましょう」とお伝えしています。
そして、その切り口として
- 今まで通り「会計事務所の範疇」でやって行く
- 顧問先企業の経営ポータルとなる
の2つを挙げています。
その中で今日は「2.顧問先企業の経営ポータルとなる」についてお伝えしたいと思います。
顧問先企業の経営ポータルとなる
経営者の一番身近な存在相手は誰か?
まず最初にお伝えしたいのは、経営者の一番身近な存在相手は誰か?です。
普通に考えれば「会計事務所だ」と思われると思いますが、その前に会計事務所以外で考えられる相談相手を一つひとつ見て行きましょう。
金融機関担当者
まず最初は金融機関担当者です。
確かに金融機関は「お金」という経営に最も大切な資源を扱っています。
また、様々な企業にも出入りしています。ですから、お客様の状態が良い時は良い相談相手となることもあるでしょう。
でも、状況が悪い場合は経営者は彼らに本音は言えません。
ですから、経営のパートナーではあるかも知れませんが気軽な「相談相手」には難しいでしょう。
保険会社のライフプランナー
次に思い浮かぶのが保険会社のライフプランナーです。
特に外資系のライフプランナーには優秀な方も多いですし、人脈もお持ちです。
しかし、全ての方ではありませんが、どうしても「何かと保険に絡めて提案してくるクセ」があります。
また、経営者も「売り込まれるのでは?」という強い警戒心も抱いています。
ですからこちらも相談相手に適しているとまでは言えないように思います。
人材紹介会社・求人広告会社・OA機器の販売会社といったビジネス系の営業マン
更に挙げれば、人材紹介会社・求人広告会社・OA機器の販売会社といったビジネス系の営業マンも顧問先に出入りしていますよね。
彼らの中にも優秀な方や人なつっこい方もいます。
しかし彼等はあくまでも営業マンであって、経営の相談相手としては見られていません。
ですから、彼等も相談相手に適しているとは言えません。
商工会議所の指導員や市区町村の相談窓口の方
そして最後は「商工会議所の指導員や市区町村の相談窓口の方」です。
こちらはどうでしょうか?
彼らは確かに経営相談のプロです。
知識もあります。
「お金」という実弾も扱っています。
ただ、彼らに相談する時は「相談しようと思って相談する相手」なので
気楽に何でも相談できる相手ではありません。
こうして一つづつ潰してくると、
改めて経営者の相談相手は「会計事務所が適任である」と思いませんでしょうか?
会計事務所は経営者の相談相手になれているのか?
次にお伝えしたいのは、「では、会計事務所は経営者の相談相手になれているのか?」です。
皆様の事務所はいかがでしょうか?
私は、残念ながらほとんどはその役割を担えていないと感じています。
理由はいくつもありますが
- 実は、月次担当者は、奥様や経理担当者には会っていても、顧問先の社長に会っていない
- 会っても試算表と税金の話だけして、終わっている
- 仮に相談を持ち掛けられても、解決策を持っていないので「そうですよね。どこも大変ですよね」しか答えられない
- 事務所にその悩みを持ち帰っても
「売上を上げるのは経営者の仕事であって、うちの事務所の仕事じゃないよ」と上司・先輩に言われる - 月次担当者も「下手に関わると余計な仕事が増える」と思うので、予防線を張りながら面談している
上記すべてが該当するとは申しませんが、上記5つのうち3つくらいはどこの事務所も当てるのではないでしょうか?
ですから、このように考えると、経営者の期待と月次担当者の意識や動きにミスマッチが起きています。
では、経営者は会計事務所に何をして欲しいのか?
では、経営者は会計事務所に何をして欲しいのでしょうか?
私は、経営者が会計事務所に本当のところ求めているのは
- 「こうすれば売上が上がる」という具体的な方法や事例
- 「これを使ったらコストが下がる」という情報・ツール・設備
- 「〇〇会計事務所と付き合ったら実際にお客様を紹介してもらえる」という実利
- 「このシステムを使ったら業務が効率化できる、生産性があがる」とシステムやツール
- 実際に「助成金、補助金がおりる」
といった実弾型のサービスです。
しかし、それらを会計事務所の方々にやって貰おうとも思っていません。
彼らは「会計事務所であればそういう人脈と情報を持っているだろう」と期待しているだけです。
そして、ここからは皆様にイメージしていただきたいのですが、
もし、私がここまで述べて来た「紹介や情報提供」ができたなら
- 顧問先の業績は上がり
- お客様からの紹介も当然のように増え
- 解約される心配も、値下げ要請される心配もなくなり
- 皆様の顧問先数も売上も伸びて行くのではないでしょうか?
ただ、残念ながら今までは
- 顧問先のニーズを聞きだせる月次担当者がいなかった
- 仮にニーズに気付いても、それを解決するソリューションが所内になかった
- そして、上記のようなサービスを会計事務所のエンジンにしようという発想がなかった
ということだと思います。
ですから上記3つを実現できる体制さえ整えれば、それは夢物語ではありません。
実際にそれで伸びている事務所もあります。
今、残念ながら会計業界は、入口という入口をほとんど全て他業界に押さえられ、このままでは明るい展望は見えません。
しかし、皆様の目の前には他業界の誰もがうらやむような「地域の中小企業」という「宝の泉」が湧いています。
あとはそれに自ら気づくかどうかの問題です。
私は今こそ、会計事務所は自らの事業ドメインを転換して、新たな存在価値を提供すべき段階に来たと考えています。
是非、新たなチャレンジとともに素晴らしい2023年にいたしましょう。
弊社ではそのための体制づくりをお手伝いしております。